今季3回目の保護司向けの「定例研修会」が、11月20日に護国神社でありました。
今回の研修内容は、「専門的処遇プログラムについて」でした。
特定の犯罪的傾向のある保護観察対象者に対して、その傾向を改善するため、科学的、体系的な専門処遇プログラムとしして、平成18年から「性犯罪者処遇プログラム」、平成20年から「薬物乱用防止プログラム、「暴力防止プログラム」、平成22年度からは飲酒運転防止プログラム」が実施されており、プログラムの実施対象者には、更生保護司第51条第2項第4号に基づき、特別遵守事項として設定し、受講を義務づけています。
今回の目的は、プログラムの種類の把握、内容の確認、処遇スキルの一つとして身につけ、処遇能力の向上をはかることでした。
対象者(犯罪を犯した人)に教授するのは、保護観察官です。
基本理論は、「認知行動療法」と「リラプス プリベンション(再発・再犯防止)」ということ。
認知行動療法は、「認知のゆがみを認識させて行動パターンの変容を促す心理療法」です。
生活で出会う様々な出来事や状況に対して、何かを考え(認知)、感情がわきおこって(感情)、行動、結果につながる。
認知を変えることができれば、行動・結果を変えることができる。
できごと → 認知 → 感情 → 行動・結果
に分けて考えます。
リラプス プリベンションは、認知行動療法をベースとした心理的教育的アプローチ。再犯に結び付く「芽」を把握し、その芽をより早く見つけ、うまく摘む方法を考え、身につけることで自己統制力を強化し、再犯を防ごうとするものです。
基本的な考え方は、「再使用の前に再発がある。」です。
引き金 → 再発のサイン → 危機場面
に分けて考えます。
要約すると、犯罪を犯したとき、感情がどうなってしまったか?再犯するときのトリガーポイントはどかか?を認識すること。
そして、犯罪を犯さないようにするにはどうしたらいいかを、自ら考えることが大事ということです。
私たちにも、そのような経験がありますよね。
お酒を飲みすぎたときの要因は何だったか?
スピード違反で捕まった時の状況はなんだったのか?
そうならないようにするのはどうしたらいいのか?
再犯をさせない、しない取り組みは、このような地道な努力と認識から始まります。